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有機食品について

有機食品を知っていますか?

スーパーマーケットなど身近なところでも見かけるようになった「有機食品」。実際はどんなものなのでしょうか。
有機食品とは、特定の栽培基準や生産方法に従って生産された農畜産物や加工食品のことを指します。有機食品は、農薬や合成肥料に頼らず、自然資源の循環に基づいて生産されるのが基本です。有機農法は土壌や水を保全するとともに生態系への負荷を軽減できると考えられており、人にも環境にもやさしく持続可能な農業として注目されています。 農林水産省は2023年に「みどりの食料システム戦略」を策定し、有機農法の拡大を目指しています。

厳しい基準に適合し品質が保証された有機食品には認定マークがつけられます。日本ではこの「有機JAS認定マーク」が公的な認証のあかしです。

有機JAS認定マーク

有機JAS認定マーク

  • 有機JAS規格: 有機JASは、日本の農林水産省が策定した基準であり、有機食品の認証規格です。有機農産物、有機畜産物、有機加工食品、有機飼料、有機藻類の5種類があります
  • 化学合成農薬・化学肥料の不使用: 有機JAS認証を受けるためには、化学合成農薬や化学肥料の使用が原則として禁止され、代わりに有機原料の使用が求められます。
  • 遺伝子組み換え原料の不使用: 有機JAS規格では遺伝子組み換え原料の使用が禁止されています。
  • 土壌への配慮: 有機農業は、土壌の有機物含有量を高め、土壌や環境を保護するのが原則です。
  • 有機JASマーク: 認証を受けた有機食品は商品に有機JASマークを表示することができます。
  • 認証機関: 有機JASの認証は第三者機関が行います。認証を受けるには一定の基準を満たすことが必要です。
農林水産省 有機食品の検査認証制度

有機農畜産物とは?

持続可能な農業:

通常の農業では合成肥料が使用されることが多いのですが、合成肥料の製造には多くのコストがかかり、原材料の一部は輸入に依存しているという現実があります。有機農業では、合成肥料の使用を制限し、代わりに有機質な堆肥や天然の肥料を使用するため、環境だけでなくコスト面でも持続可能性が高いと考えられます。

資源の循環:

有機農業では、農場内での資源の循環を重視します。例えば、動植物由来の堆肥を使用することで有機物が分解されて栄養分が土壌に戻り、土壌の健康が保たれると考えます。このような自然の循環を大切にすることで農業の持続可能性を高めます。

エネルギーコストの削減:

合成肥料の製造や輸送には多くのエネルギーが必要です。有機農業によって合成肥料の使用を減らすことで、これらのエネルギーコストの削減を目指します。

持続可能で資源効率の高い有機農業が広まることによって、肥料の輸入量を減少させ、エネルギーコストを削減し、さらには地域の自給自足を促進するという効果が期待されています。

農林水産省 有機食品の検査認証制度

有機加工食品とは?

有機加工食品の製造:

有機加工食品とは、有機JASに基づいて栽培された作物や家畜由来の原材料を用いて製造された食品です。原料となる農産物は農薬や合成肥料を使用せず有機農産物の規定に沿って生産され、有機JASの認証を受けたものでなくてはなりません。食品添加物や合成保存料などは可能な限り使用しないことになっています。
また、有機加工食品の製造工程についての厳しい規定があり、洗浄や防虫などについても原則として化学物質は使用できません。製造に通常の食品と共通の機材を使う場合は、有機の製品に非有機の製品が混入することがないような生産計画の立案が必要になります。

  • 原材料について: 有機加工食品の製造には、有機農産物や有機畜産物など、有機JAS規格に適合した原材料を使用します。日本の有機JASと同等の基準を満たした海外産の原料を使用する場合もあります。
  • 加工方法: 有機加工食品は、原材料の特性を製造や加工の過程で保持するために、物理的または生物の機能を利用した加工方法を用います。化学的に合成された添加物や薬剤は基本的に使用しません。 また、有機加工食品の製造は、原材料や製品が農薬、洗浄剤、消毒剤などにより汚染されないように厳格な管理の下で行われます。
  • 表示: 有機加工食品は、定められた表示基準に従ってラベル付けされ、市場に出荷されます。製造に使用した原料の量と出荷数、ラベルの数などには厳密な管理と記録が求められます。

有機加工食品の種類:

豆腐、豆乳、みそ、醤油など大豆加工品、ソース・ケチャップなど調味料、食用油脂、ジャム、ドライフルーツ、お茶、スナック(菓子)類など、様々な種類の有機加工食品が市販されています。
2022年のJAS法改正で有機加工食品のJAS規格の対象に有機酒類が追加され、酒類にも有機JASマークを表示することが可能になりました。
有機酒類:農林水産省 農林水産省 有機食品の検査認証制度

有機食品のこれから

有機食品市場の成長:

日本国内でも有機食品の市場が拡がってきています。政府が推進している「みどりの食料システム戦略」の後押しもあり、農地の有機転換が徐々に広がっています。

SDGsや環境問題への理解の深まりとともに、有機食品のの市場もさらに拡大していくことが期待されています。

有機食品の課題:

有機農業や有機農畜産物、加工食品は注目を集めていますが、日本の有機食品市場の規模や一人あたりの年間消費額は欧米と比べてまだ非常に小さいのが現実です。
また、日本全体で有機JASを取得している農地はごくわずかです。これには温暖で湿度が高く病害虫の防除が難しい日本の気候も影響していると考えられます。

有機食品をさらに普及させるためには、栽培技術の向上や政策による後押しの他に、消費者が有機食品に対する理解を深めることも重要です。